永住権の理由書について


日本の永住権を取得したいけれど、理由書って何を書けばいいの?



書き方が分からなくて不安…
永住許可申請の必要書類の中に、『理由書』があります。
永住権申請において、理由書はあなたの日本への想いや定着性を伝えるための非常に重要な書類です。理由書を通して、あなたがなぜ日本に永住したいのか、現在の仕事や生活の様子、永住許可に有利になる情報などを審査官に伝えるためのメッセージとなります。
永住申請で理由書が必要な方
- 就労ビザの方
- 家族滞在ビザの方
- 定住者ビザの方
- 「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」に該当する方で、高度人材外国人として永住申請をする場合
理由書は、就労ビザや「家族滞在」、「定住者」から永住申請をする場合に必ず提出するものとなります。
「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」ビザから永住申請をする場合には必須ではありませんが、何らかの説明が必要なときやアピールポイントがあるときなどは、作成した方が良い場合もあります。
また、「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」ビザに該当する方でも、高度人材外国人として永住申請をする場合には、理由書が必要となります。
そもそも『理由書』とは?
理由書の目的:なぜ日本に永住したいのかを伝える
理由書は、あなたがなぜ日本の永住権を希望するのか、その具体的な理由を審査官に説明するための書類です。単に「日本が好きだから」というだけでなく、これまでの日本での生活実績や、今後の生活設計、日本社会との関わりなどを具体的に記述します。日本への定着性や永住の必要性をアピールし、マイナス面があれば説明をすることで永住への思いを伝えます。
審査官は、提出された他の書類(在職証明書、課税証明書など)と理由書の内容を照らし合わせ、あなたが永住者にふさわしい人物かどうかを総合的に判断します。
誰が書くの?:申請者本人が作成
理由書は、原則として永住権を申請するご本人が作成します。ご自身の言葉で、正直な気持ちを伝えることが大切です。
いつ提出するの?:永住許可申請時に他の書類と一緒に
理由書は、永住許可申請書やその他の必要書類と一緒に、お住まいの地域を管轄する入管に提出します。
理由書のフォーマット・書式について
理由書には決まったフォーマット(書式)はありません。しかし、審査官に伝わりやすいように、以下の点に注意して作成すると良いでしょう。
◆用紙
A4サイズの白い用紙を使用するのが一般的です。
◆作成方法
パソコン(Wordなど)で作成するのが読みやすく、修正も容易なためおすすめいたします。手書きでも構いませんが、その場合は黒のボールペン等を使い、丁寧で読みやすい字で書きましょう。
◆記載事項
宛名:「法務大臣殿」と記載します。
日付:作成年月日を記載します。
申請者氏名:氏名を記載します。
◆タイトル
「永住申請をする理由」や「申請理由書」など、分かりやすいタイトルをつけましょう。
◆枚数
特に規定はありませんが、A4用紙1枚~2枚程度にまとめるのが一般的です。長すぎると要点が伝わりにくくなる可能性があります。
理由書に何を書けば良い?
理由書に「これを書かなければならない」という厳密な決まりはありませんが、審査官に永住の意思と必要性を効果的に伝えるために、以下の項目を入れることをおすすめします。
1. 永住を希望する具体的な理由
これまでの日本での生活について
- 氏名と国籍
- いつ来日し、どのような在留資格で過ごしてきたか(簡単な経緯)
- 学歴や職歴(どのような学校で学び、どのような仕事をしてきたか)
- 家族構成(現在の家族状況)
- 身元保証人との関係(どのような経緯で知り合ったか、関係性について)
なぜ日本に永住したいのか?
- 仕事上の理由(現在の仕事へのやりがい、キャリアアップ、起業など)
- 家族の理由(日本人配偶者や永住者の配偶者・子供と一緒に暮らすため、日本で家族を築きたいなど)
- 日本社会への愛着(日本の文化、習慣、生活環境が好き、地域社会とのつながりなど)
今後の日本での生活設計
- 永住許可が得られた後、どのように生計を立てていくか(仕事の継続、将来のキャリアプランなど)
- どのように日本社会に貢献していきたいか(納税、社会保障への加入はもちろん、地域活動への参加意欲など)
- 将来の夢や目標(日本で実現したいこと)
上記を組み合わせ、ご自身の状況に合わせて具体的に説明しましょう。
あなたの状況に応じたアピールポイント
上記の項目に加え、ご自身の状況に合わせて以下のような点をアピールすると、より説得力が増します。
就労している場合
- 現在の職種、役職、具体的な業務内容
- 勤続年数、会社での実績や貢献度
- 今後も安定して就労を継続する見込み
家族がいる場合
- 配偶者やお子様の状況(国籍、在留資格、就学状況など)
- 家族が日本での生活にどのように適応しているか
- 家族全員で日本に定住したいという意思
日本社会への貢献
- ボランティア活動への参加実績
- 地域活動(町内会の役員、地域のお祭りへの参加など)への関与
- その他、社会的な活動実績
その他
- 日本語能力の高さ(日本語能力試験の級、日常会話やビジネスレベルなど具体的に)
- 日本の法律やルールを守っていること
- 日本の文化や習慣への理解と適応
- 保有資格やスキル
- マイナスポイントがある場合は、反省や今後の対応
理由書作成で失敗しないための重要ポイント
正直に、具体的に書く
- 嘘や誇張は絶対にNG: 事実と異なる内容を書くと、虚偽申請とみなされ不許可になるだけでなく、今後の在留資格にも悪影響が出る可能性があります。
- 具体性が重要: 「日本の文化が好き」だけでなく、「茶道や地域の祭りに参加し、その奥深さに感銘を受けた」など、具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
- 不利な点も正直に説明(必要な場合): 例えば、過去に軽い交通違反がある場合などは、正直に記載し、反省の意と再発防止策を示す方が、隠すよりも心証が良い場合があります(ただし、内容によりますので専門家への相談も検討しましょう)。
丁寧な言葉遣いを心がける
- 乱暴な言葉遣いや略語は避けて、丁寧語(です・ます調)で書きましょう。
日本語で作成する(原則)
- 理由書は日本語で作成するのが良いでしょう。
- 日本語での作成が難しい場合は、母国語で作成し、正確な日本語訳を添付することも認められています。ただし、翻訳の質が低いと内容が正確に伝わらない可能性があるため、信頼できる翻訳者に依頼するか、翻訳支援サービスを利用しましょう。可能であれば、ご自身で日本語で書く努力を示すことが望ましいです。
読みやすい構成と文章
- 見出しや段落を活用: 内容ごとに見出しをつけたり、適度に段落を分けたりして、構成を分かりやすくしましょう。
- 誤字脱字チェック: 書き終えたら必ず読み返し、誤字や脱字がないか確認しましょう。可能であれば、他の人に読んでもらうのも良い方法です。
- 簡潔な文章: 一文が長くなりすぎないように、分かりやすく簡潔な文章を心がけましょう。
他の提出書類との整合性を保つ
理由書に書いた内容(職歴、収入、家族構成など)が、他の提出書類(在職証明書、課税証明書、住民票など)の内容と違うことがないように注意しましょう。
よくある質問
- 理由書のテンプレートはありますか?
-
出入国在留管理庁の公式サイトには、理由書のテンプレートはありません。インターネット上ではサンプルを提供している場合もありますが、あくまで参考程度にとどめ、ご自身の状況に合わせて具体的な内容を自分の言葉で書くことが重要です。
- 文字数に決まりはありますか?
-
特に文字数制限はありません。A4用紙1~2枚程度に、必要な情報を分かりやすくまとめることを目安にしましょう。短すぎても永住への熱意が伝わりにくく、長すぎても要点がぼやける可能性があります。
- 自分で書く自信がないのですが…
-
理由書の作成は永住許可申請において非常に重要です。もしご自身で作成することに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。専門家は、あなたの状況に合わせた最適な理由書の作成をサポートしてくれます。
永住権の理由書まとめ
永住権申請における理由書は、単なる手続き書類ではありません。あなたのこれまでの歩み、日本への想い、そして未来への決意を伝えるための大切なメッセージです。
この記事を参考に、ご自身の状況を正直に、そして具体的に記述し、審査官にあなたの永住への熱意と日本への定着性をしっかりと伝えましょう。丁寧に、心を込めて作成することが、永住許可への大きな一歩となります。
もし理由書作成に関してご不安な点があれば、一人で悩まず、ぜひ専門家にご相談ください。


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